妙円寺のご案内

妙円寺縁起

妙円寺本堂

妙円寺は福井の永平寺と、横浜鶴見の總持寺そうじじとを両本山とする曹洞宗の寺院で、鹿児島県日置市伊集院町にあります。今より約600年程前の、室町時代の高僧 石屋眞梁禅師により、時の長州太守 大内義弘公の息女の供養のために建立されました。後に、島津家十七代当主 島津義弘公が石屋禅師の教えにいたく感銘し、自らの菩提寺と定めて更に栄え、その規模は最盛期には500石を誇りました。

妙円寺は元来、現在の徳重神社の場所にありましたが、廃仏毀釈に逢い、その全てを焼失してしまいます。その七年後、仏教禁止令が解け、明治13年に現在の妙円寺の位置に復興いたします。廃仏の際に信者が命懸けで運び出した島津義弘公の位牌は、現在でもこの妙円寺に安置されております。

ご本尊について

妙円寺ご内陣

妙円寺のご本尊は、仏教の開祖でもある「お釈迦さま」です。

曹洞宗では、中国(南宗)に渡りお釈迦さまの教えを学び、永平寺を開かれた道元禅師と、總持寺を開き、教えを全国に広められた瑩山けいざん禅師を「両祖」と呼びます。そして、お釈迦さまと道元禅師、瑩山禅師を「一仏両祖」としてお祀りしています。

拝む時は「南無釈迦牟尼仏なむしゃかむにぶつ」と、お唱えします。「お釈迦さまに全てお任せ(帰依)します」と言う意味です。曹洞宗では、皆仏の子であり、生まれながらに仏心を持っているので、帰依して苦難を乗り越えて生き抜く中に、幸福を発見することができると説かれています。

住職あいさつ

妙円寺住職 伊藤憲一

妙円寺住職の伊藤憲一いとうけんいつと申します。この度は、妙円寺のホームページをご覧いただきありがとうございます。禅宗では日々の生活の中に仏道を見出します。日々のお悩み事などございましたら、ぜひお立ち寄りください。少しでも皆様の心の拠り所になれればと願っております。

【プロフィール】
11才で得度。慶応義塾大学卒業。長崎県の専門僧堂、晧台寺で修行の後、妙円寺第六十一世住職に就く。

島津義弘公と妙円寺

JR伊集院駅にある島津義弘公騎馬像

島津家十七代当主 島津義弘公は、伊集院の一宇治城(現在の城山公園)で育ちました。幼少より妙円寺を訪れては、座禅を組み、学問や仏学を習っていたそうです。妙円寺を創立した石屋禅師の威徳に感銘し、妙円寺に深い愛着を持っていたことから、妙円寺を自らの菩提寺と定め自己の木像を納めました。

戦国島津位牌堂

戦国島津位四兄弟と島津豊久公の位牌

当寺では、明治維新まで続く薩摩の活躍の源流を生み出した、島津義久、義弘、歳久、家久の島津四兄弟。そして関ヶ原の戦いで義弘公と共に戦い、惜しくも戦死した家久公の長男 島津豊久公をご供養しております。